昔は日本式の就活が死ぬほど嫌いだった。
なんで取り繕っていい顔をして、みんな同じようなESを書いてスーツ着て活動する必要があるのか、なんで大学で勉強した後にAO入試みたいな試験を受け直さなければいけないんだ、と思ってそのようなシステムに対する色々な記事を書いていた。
他にも、エンカレッジの従業員が至る所に蔓延っていることや、就活エージェントが乱立していることにも疑問を抱いていた。
そういう人たちを見ると、人の就活の面倒を見る前に、人を一企業に送り出す前に、あなたは今の働き方に満足しているだろうか?と言いたくなることが多々あった。
そして、”就活”という言葉に嫌悪感を抱いていた。就活という2文字の概念が存在することで就職活動が定式化され、「絶対内定!」「必勝法」なるマニュアルが出まわり始める。
そして、ハイエナのように人材サービスがここぞとばかりに集り始める。
まるで誰かに、「普通はこういうときはこうして、こういうときはこうするんだよ、こうしないといけないんだよ、あなたは遅れてるから急がなきゃ」と諭されているような感覚に陥る。
どこの誰が作ったかもわからないルールに則って、良し悪しが生み出される。その良し悪しを評価する人は、一体どれだけ偉い人なのだろう。
とまあ、日本の就職活動に散々文句を言っているわけにもいけないと思い、留学、企業、スタートアップで働く、インターンなどと様々な経験をしてきた結果、意外にも考え方が変わった。
目次
なぜ日本なのか
これは留学経験が影響していると思う。
昔は漠然と海外に住んでそこで働きたいという思いがあった。
それは今も変わらないが、その意味合いは異なる。
留学を通して自分が日本人であることを強く意識したあとは、日本から世界に影響を与える人になりたいという思いが芽生えた。
外国の会社に勤めてそこで一生懸命働くことも確かに楽しそうだが、自国のプライドを持って働いた結果、GDPや文化の拡散が起こるとそちらの方が嬉しい、と思うようになった。
今思えば、日本の企業に勤めたとしても、海外に行くことはできるのだ。もちろん、海外に拠点があるメーカーにする必要はあるが、そうでなくてもこれから日本の人口は減っていって、海外進出のトレンドは右肩上がりだと思っている。
メガベンチャーではない理由
スタートアップ企業で一生懸命働いていると、IT系のメガベンチャーへの就職を勧められることがあるが自分にはあっていないと思うことに気がついた。
よく、若いうちから裁量権があるよ、とか圧倒的に成長できるよ、という謳い文句で勧めてくる人がいるが、これらはメガベンチャーでなければ得られない経験ではない。
そもそも、サラリーマンとして企業に忠誠を誓う契約形態で裁量権の有無を大いに気にかけていること自体おかしい話だとも思う。
本当に裁量権が欲しいのなら、自分で起こした事業に対して、昼夜休む暇もなく、いつ投資家から切られるかヒヤヒヤしながら這いつくばって取り組むなりがいつだってできるのだ。
この過程で勝手に成長しているのはいうまでもない。
IT系ではない理由
普段はIT系の業務をこなしていて、そのような業務は楽しんでやれていると思う。
だが、それだけでIT系にいくかと言われればそうではない。
1番の理由として、IT系は誰かが考えたプロジェクトを開発するいわば請負系の業務形態が多いと考えているからだ。
また、案件の設計などを行ういわゆる上流側の詰めが甘いと、下流である開発が苦しむことになる。これは実際に今までの開発を通じて実際に感じたことだ。
例えば、技術スタックを全く理解していない人がPMになると、クライアントが話したことをそのまま持ってきて開発側が話したことをそのままクライアントに持っていくような馬鹿げた話になるし、上流の人が中途半端な知識を持っていた場合、粒度が大きすぎる仕様書ができたりと、開発側が割を食うようなことになる。
だから、一通り開発を経験した後は、その経験を活かして下流の人たちが苦しまないような要件定義や、クライアント自身が把握できていないプロダクトのニーズをうまく引き出し、さらには現場の声を重視するような泥臭い働き方をしたいと思うようになった。
そういうわけで、IT系ではない、だけどITに関わる部署、というような軸で就職先を探した。
日本の就活は意外に楽しい
ちゃんとした企業はやってきたことを当たり前に評価してくることに気づいた。
就活を実際に始める前には、バイトリーダーをやったとかサークルの副代表とか、人をまとめた経験とかを雑巾絞るように捻り出さなければならないと思い込んでいた。
だが、実際に面接を受けてみると、ただ単に今までで悔しかったことや、自分が死ぬ物狂いで達成したこと、働く上で大切にしていることなどを説明するだけで、評価してくれることに気づいた。
面接は虐待の場所だと思っていたのが大間違いだった。
むしろ、今までの自分の人生を誰かに打ち明けて、それを真剣に聞いて評価してくれる心地の良い場所だと感じた。
このような機会は後にも先にも新卒就活ならではなのかもしれないと思うと少し寂しい。
なぜ大企業メーカーなのか
大企業は創業100年を超えるところも多く、そのようなところには今までの販売データや顧客データなど膨大な量のデータが眠っている。
俺はこのデータをフルに利活用できている企業は多くはないと考えている。
どんなに戦略を練るのがうまくても(コンサル)、どんなに最新技術で課題解決に尖った組織(先端技術を持ったベンチャー)でも、これらのデータが組み合わさって初めて真価を発揮すると思っている。
だから、これからの時代は特に、これらのデータ、つまりデジタルアセットが莫大な価値を持つようになると見ている。
そういうのを持っているのはやはり大企業、特にメーカーだ。
そういう場所で、蓄積されたアセットを発掘してより良いものを作り出し、結果として自分の国を良くしていくことこそ、自分がやりたいことなのだと思っている。
これは最終面接で直接役員の人に言ったことだが、巨人の肩の上に立ち、自分の強みを発揮することこそ、自分にとっての幸せなのだと思う。
色々偉そうに書いたが、まだ本格的に大企業で働き始めたわけではない。これから先、考えが変わることも十分あるかもしれない。
ただし、そうなったとしても、自分がゾーンに入ることのできる瞬間、自分のフィールドを確立した今、おそらくどのようなことでも楽しんでいける自信がある。
この辺りを知ることができたのは、今まで何かに本気で取り組んだ経験のおかげであることは言うまでもない。

