PI染色は死細胞のみを特異的に染める染色手法です。
目次
染色原理
PI(ヨウ化プロピジウム)は、死細胞の細胞膜恒常性の崩壊を利用して細胞内部に浸透し、核酸にインターカレートします。
インターカレートとは
分子間に他の分子、元素が侵入すること。
分子生物学の文脈ではDNAの中に特定の機能を持った分子が入り込むことを指すことが多い。
分子生物学の文脈ではDNAの中に特定の機能を持った分子が入り込むことを指すことが多い。
このことから、厳密には“膜恒常性を失った細胞”ならなんでも染めると言えますが、そのような細胞は既に死んでいるものとみなせるため、実質的には死細胞を特異的に染めることと同じであると言えます。
PI染色の利用例
死細胞染色
細胞死が起こった細胞を観察したい時に、二重染色マーカーとして利用されることが多いようです。例えば、PIの蛍光は赤色であるためGFPを同時に使用することが可能です。
フローサイトメトリー
死細胞のみを特異的に染色できることを利用して、PI染色した細胞集団をフローサイトメーターにかけることで、生細胞のみまたは死細胞のみを取集することができます。この過程で、それぞれの細胞数をカウントすることで、細胞の生存割合を測定することができます。
SYTOX® Green染色
PI染色と同様に、膜恒常性を失った細胞に浸透し、核酸を染色するSYTOX® Greenという試薬があります。同じ原理なのに、なぜ死細胞を検出する染色方法はPI染色の方がメジャーなのかわからないため、調べておきたいと思います。
考えられる理由として、SYTOX® Greenの蛍光は緑色であるため、他の蛍光と競合することや、浸透粒子数による定量解析の精度、試薬の価格等が挙げられますが、本当の理由はわかりません。
