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オーバーブッキング池田の経緯

その日、俺はすでにタスクを抱えすぎてキャパオーバーになりかけていた。

履歴書に書ける事が増えるという下心で、舞い込んでくる案件全てにOKを出して、気づけばレッドテープに絡まっていた。

片付けても片付けても、机に山積みになった問題が無くなることはなかった。

まるで冬眠前のリスのように、アホみたいな量のタスクを自分のテリトリーに持ち込んでいた。

たまに、外資系の案件で俺を管理しているニッキ・ミナージのようなアメリカ人上司が俺を気遣ってレッドブルを買ってきてくれたけど、zoomミーティングで渡せるわけねーだろ、俺は今日本にいるよ。

それでも、仕事を楽しみながらなんとか持ち堪えていた。

ついにオーバーブッキングが発生

自分の会社の案件、論文執筆、3個の委託案件の計5つの納期が同じ日に被ってしまった。

そのうちの一つに、完全にボランティアで請け負っている介護のDX化プロジェクトのバックエンドの実装があった。ここの組織は元からバックエンドを作って動かしていたものの、コードに致命的な欠陥があって結局俺が一から作り直す羽目になった。

流石に、脆弱なシステムのせいでこれからの日本を担う爺さん婆さんの個人情報が漏れるのには目をつぶっておけなかった。

ボランティアだから無収入なのはわかっていたけど、HTMLすら書けないリーダーは椅子にふんぞりかえってるし、そのうえコーディングする人たちのことを馬鹿にする発言をしているのを聞いて、流石に嫌になって職場の荷物を全て肩に担いで建物から出ようとしていた。

俺もやる時はやるぞと堂々と歩いて行くとリーダーにすれ違って「あ、あと15分後ミーティングでれる?」

「はい」 

この瞬間、俺はこの先オーバーブッキング池田として生きて行くことに決めた。

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